■ 長寿国家 日本
世界一の「長寿国家」として有名な日本。実際の高齢者数も増加の一方をたどり高齢化社会となった日本ですが、それに伴って今後も増大する医療・介護ニーズにどのように対応していくのか、お手本となる前例がないなかで試行錯誤が続いています。
飲食業界や介護業界などで顕著のように、慢性的な人材不足がすでに起こっており、看護・医療の業界も例外ではありません。
向こう10年ほどの間に、看護業界も否応なく大転換の波にさらされるでしょう。
医療費も高度な先進医療がどんどんと編み出され、従来では「治らない」病気なども治すことができるようになったり、または投薬管理でコントロールすることで生命を守るようになってきています。
そのため、国の医療費は膨大な額になっています。その医療費を適正に抑えるために、国も診療報酬の改定など、さまざまな制度の改変によって後押しされ医療の現場も10年前に比べて変化してきています。
グラフ : 平成 29 年(2017) 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況より
内閣府の人口統計によると、2015年には、出生人口数が多かった「団塊の世代」が「前期高齢者(65〜75歳)」になりました。
さらに、予測では2025年には団塊の世代は「後期高齢者(75歳以上」となり、その辺りから数十年間ピークを迎えると予想されています。
また、将来の平均寿命は「男性84.95年」「女性91.35歳」とさらに伸びルことが予測されており、人生100年時代もかなりの現実味を帯びているのです。
対して、出生率は下がっており、高齢者を支える現役世代の負担はどんどんと増して行くのは、確実に訪れる未来です。
■ 問題点
このように、医療の進歩で「長く生きられる」一方で、医療費は膨らみ、高齢者の数が増える一方で、それを支える世代は少なくなっています。
10〜20年前くらいまでは、「入院」したら、2週間〜数ヶ月は「入院していられました」が、昨今では、当日の日帰り手術や、2泊3日の短期入院は珍しくありません。
もちろん、雑に扱われているのではなく、手術技術の進歩や、臨床上の新しい発見に基づく変化でもあります。
病院は必要以上に長く療養するための施設でもありません。特にベッドに空きがないような場合はなおさら。
1990年代頃より、療養病床を覗き、全国的に病床数(ベッド数)は緩やかにですが、確実に減っています唯一増加傾向の療養病床もほぼ常に埋まってしまう状況です。
出典:「厚生労働省:平成29 年(2017) 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/dl/09gaikyo29.pdf
■ 訪問看護の役割と日頃の備え
こんな中で必要になってくるのが「在宅医療」です。
急性期や、生命に関わる状態を脱し、安定してきた場合で、まだ自力で通院できないような場合や、高い頻度での医療行為を施しながら在宅で加療ができます。
住み慣れた自宅で過ごせることは、誰しも心強く、大きな環境の変化が苦手な高齢者にとって、安心できる良い環境であるとも言えます。
また、そのような状況に備えて、自宅から通える「かかりつけ医」がいることも、安心のひとつです。
少し調子が悪い。なんとなく違和感がある。
その度に、遠くの大病院に行く必要はありません。
長年かかっている場合、ドクター(医師)はあなたの生活習慣や、職業、既往歴、時には性格なども考慮して、把握してくれている場合もあります。
自宅での医療行為は、誰しもができることではありません。
そのために私たち「訪問看護」があります。医師の指示のもと、病院での加療と同等の医療行為で、患者様の生命・身体をケアできます。
どんなにデシタルが進んでも、まだまだ、いや逆にアナログな人間のつながりが大切になるのだと思います。
在宅医療でお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。
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